はたらく細胞 ピロリ菌編 除菌除染で安心はNG!胃がんの真の原因は…
今日は「はたらく細胞」5巻
第20話『ピロリ菌編』
についてお話します。
お騒がせ一般細胞クン、再登場
3巻の『風邪症候群』編では、一般細胞クンがウィルス感染細胞とつるんで免疫細胞にイタズラする話が描かれていました。
そのお話についてはコチラ
↓↓
はたらく細胞『風邪症候群』 一般細胞クンが魅せた驚愕の分裂方法!
あの時一般細胞クンはちゃんと反省したんですけどね。。
はたらく細胞 3巻 風邪症候群
でもやはり彼、
あいかわらず退屈な日々には
ホトホト辟易している様子。
はたらく細胞 5巻 ピロリ菌
そんなある日、
川に落ちて溺れそうな菌の赤ちゃんを見つけ、
助けることに。
はたらく細胞 5巻 ピロリ菌
助けてもらった菌たちは、
困ったことに一般細胞クンになついてしまいます。
はたらく細胞 5巻 ピロリ菌
「にゅー♡
にゅー♡」
と可愛らしいですね。
実はこの菌たち、
善玉菌の代表格である
『乳酸菌』
です。
この時に登場した乳酸菌、
この体を絶体絶命のピンチを
救うことになるのですが、、
それはまた後の話です。
ピロリ菌、襲来
そんなある日、宿主の胃に突如、
ピロリ菌が現れます。
はたらく細胞 5巻 ピロリ菌
ピロリ菌の持つ「べん毛」のスクリューは非常に強力です。
なんと1秒間に100回転し、これによるピロリ菌の移動速度はなんと100Mを5.5秒で泳げるほど。
なお、作中では「べん毛」のスクリューで胃粘膜を破壊するシーンが出てきますが、これは少し正確ではありません。
はたらく細胞 5巻 ピロリ菌
実際には、酵素や毒素を放出することで、長い間かけて胃粘膜を攻撃します。
その後、乳酸菌クンやイケメン白血球さんの活躍により「ピロリ菌」、見事撃退!
はたらく細胞 5巻 ピロリ菌
こんな風に免疫細胞が日々働いてくれるからこそ、大事にならずに済んでいる異変っていっぱいあるのでしょうね。
そう考えたら本当に体内ではたらく細胞達には感謝です。
ピロリ菌の除菌・除染は必要か?
人類がピロリ菌を発見したのは
1983年のこと。
数万年、数十万年に及ぶ
人類の歴史からすると、
本当に最近のことです。
つまり、
長い間人類と「ピロリ菌」は、
ずっと共生関係を続けてきたのです。
そして今でも、
世界人口の50パーセント近くが
保菌者とも考えられています。
もはやこうなると、
「ピロリ菌」は人類全体の常在菌
とも言えると思います。
確かに、ピロリ菌の保菌者は
胃潰瘍や胃がんのリスクが高まります。
しかし、同時にピロリ菌には、
逆流性食道炎や食道がんを防ぐはたらきがある
とも報告されています。
こうなってくると、一概に
ピロリ菌を目の敵にして
除菌・除染してしまってよいものやら・・・。
本当の悪玉はストレスや生活習慣の乱れ
さらに調べてみると、
胃粘膜の破壊には
「ピロリ菌」以外にも原因があることが分かりました。
それには、なんと
「はたらく細胞」にも出て来た
「白血球(好中球)」の存在が深く関わってきます。
白血球(好中球)がピロリ菌と関わって、
胃の組織を破壊していく流れは以下の通りです。
交感神経が優位になる状態が続くと、
「白血球(好中球)」の割合が増えます。
↓↓
過剰になった好中球は、
胃に集まってきて
常在菌のピロリ菌を攻撃します。
↓↓
攻撃を終えた好中球が
死ぬ間際に自ら活性酸素を放出し、
結果、胃の組織を破壊していくのです。
・・・まさか、体を守ってくれるパトロール隊の白血球(好中球)さんが、増えすぎるとこんな事態を引き起こすとは。。
つまり、ピロリ菌を除菌・除染したとしても、
根本の原因「ストレスや生活習慣の乱れ」
を改善しない限り、、
白血球(好中球)は過剰に増えて
常在菌などを攻撃し、
活性酸素を放出し続ける
ということです。
また、ピロリ菌の除菌や除染には
・体内の有益な菌も含め、根こそぎ殲滅してしまう
・食道系の疾患のリスク
が伴います。
・・・とは言ったものの、
除菌・除染により胃がんのリスクは
劇的に低くなることも事実。
なので、ピロリ菌の除菌・除染を
ご検討の場合には、
以上のようなリスクもあつことも考慮していただけたらと存じます。
終わりに
今日の話をまとめると、
- はたらく細胞 ピロリ菌編では、お騒がせ一般細胞クンが再登場!助けた乳酸菌が今後のストーリーで重要なカギを握る
- ピロリ菌は長い間人類と共生してきた常在菌。胃がん・胃潰瘍などのリスクが高まるが、食道疾患のリスクを抑えてくれている菌でもある
- 本当に悪いのは、ストレスや生活習慣の悪化により過剰となった白血球(好中球)が放出する活性酸素。これを改善しない限り、ピロリ菌を除菌しても他の疾患にかかるリスクは変わらない
でした。
イケメン白血球さんが頑張ってくれるのは頼もしいですけど、ストレスなどで彼らが過剰に増えすぎないようにすることも必要なのですね。
そしてこれは、宿主である僕たち人間の責任です。
自分のため、はたらく細胞たちのため、体のことも考えて生活してあげなきゃなぁと改めて思った「はたらく細胞 ピロリ菌」編でした。
それでは、今日も最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
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