はたらく細胞 小腸の免疫機関『パイエル板』と経営者・M細胞の仕組み
はたらく細胞の原作マンガ4巻では、
『パイエル板』と呼ばれる小腸の免疫器官と、
そこのマスター『M細胞』が登場しました。
◆パイエル板
はたらく細胞 4巻 パイエル板
◆M細胞
はたらく細胞 4巻 パイエル板
今回の記事では、
このパイエル板とM細胞が体内でどのように働くか?
について、お話いたします。
はたらく細胞では、白血球(好中球)さんが細菌「カンピロバクター」をパイエル板に誘導するような流れでストーリーが展開されていました。
はたらく細胞 4巻 パイエル板
ですが、実際には好中球には
雑菌をパイエル板に誘導する能力はありません。
それでは実際には雑菌は
どのようにパイエル板に誘導されていくのでしょうか?
というわけで、ここでは現実世界で
雑菌がパイエル版に取り込まれていく様子を以下の図に沿ってお話しますね。
はたらく細胞では『パイエル板』編のラストに登場したM細胞ですが、実際には最初に雑菌を見つけて捕まえるのがM細胞です。
M細胞は表面に『GP2』というタンパク質が出ており、これが大腸菌やサルモレラ菌などの雑菌と結合します。
次に、M細胞は捕まえた雑菌を、「パイエル板」に送り込みます。
(図の矢印「1」の部分)
パイエル板は、T細胞やB細胞などリンパ球系の免疫細胞、特にB細胞がびっしりと集合している免疫組織です。
「はたらく細胞」では以下のように説明されています。
小腸の内側の絨毛と絨毛の間の谷になった部分や、絨毛がない部分にある免疫器官。その内部にはリンパ小節がたくさん集合している。腸管免疫において重要な役割を担っている。
引き続き、パイエル版に送られてきた雑菌を「樹状細胞」が受け取って分解し、抗原の断片部分を「T細胞」に提示します。
(図の矢印「2」の部分)
その後、「ヘルパーT細胞」はB細胞に抗体産生、放出の指令を送ります。
(図の矢印「3」の部分)
そして、B細胞は抗体を産生、放出します。
(図の矢印「4」の部分)
このB細胞が放出した抗体が、
体内に侵入してきた同種類の雑菌の退治を行うのです。
というわけで、パイエル板とM細胞についてのはたらきをまとめると、
- M細胞は表面の「GP2」というたんぱく質により、雑菌を取り込んでパイエル板に送り込む
- 樹状細胞は雑菌を受け取り、分解してT細胞に抗原情報として提示する
- T細胞は、抗原に対応する抗体を産生して放出するようB細胞に指令を出す
- B細胞は、抗体を産生して放出する。この抗体が対象の雑菌を退治する
でした。
それぞれの免疫細胞が連携し合って外敵をやっつける流れ、伝わりましたでしょうか?
パイエル版とM細胞の流れの絵は、今回 Windows 付属のペイントソフトで描きました。
分かりやすく描けたかなぁ。。
なお、以下の記事でもはたらく細胞たちが連携する仕組みについてお話していますので、よろしければご覧ください。
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漫画『はたらく細胞』 擬人化キャラ物語でスギ花粉症がよく分かる!
それでは、今日も最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
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