HUNTER×HUNTER キメラ=アント編 王メルエムの主役っぷりが凄い!
こんにちは、べっちです。
今日も引き続きHUNTER×HUNTER キメラ=アント編のお話です。
今回は、カイトが無残な姿で戻ってきた後(22巻先頭)
~
王メルエムの城に「ゴン」達が突入する直前(25巻の途中)
についての内容になります。
軍儀のシーンにハラハラドキドキ
王メルエムにとっては500万人からの「選別」までの間の暇つぶしで始まった軍儀ですが、次第に心からゲームにのめり込んでいくのが面白かったです。
HUNTER×HUNTER 23巻 165ページ
頭脳も無敵と思われた王「メルエム」をもってしても、まさか敵わない相手がいたとは驚きでした。
しかもまだ子供で、どう見ても頭の良さそうには思えないタイプなのですが、見かけによらず天才少女だったのですね。
実力差はかなりあるようで、メルエムが起死回生の一手を打ったと思っても、天才少女「コムギ」はさらに上を行く、といった攻防が続きます。
メルエムの手「離隠」から一転、「コムギ」が「詰み」となる手をためらいメルエムに詰め寄られた際には、あわや死亡フラグかとも思い心配になりました。
でも、「コムギ」が過去に考えた一手を「一度死んだ我が子」と呼んだことに、「下らぬ、興が殺がれた」とその場を後にしたことはとても安心しましたし、この言葉に「メルエム」の照れ隠しのようなものが滲み出ていたように思います。
あんなに凶暴なメルエムにも、人間らしい一面があったのですね。
メルエムの腕ひきちぎり事件
そして極めつけは、メルエムが自らの腕を引きちぎるシーンです。
このシーン、以前 HUNTER×HUNTER を全く知らない時にどこかで見た記憶があります。
きっと、国民的に有名なシーンなのでしょうね。
メルエムは痛みを感じないのかな?とも思いましたが、よく見ると汗が一滴たれています。
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「これで許せ」
HUNTER×HUNTER 24巻 30ページ
腕を引きちぎられた時の痛みは恐らく人間と同様なのだと思いますが、それでも一粒の汗で耐えるあたり、やはり並大抵の精神力ではありません。
このあたり、富樫先生の表現力もすばらしいなと思います。
しかし、軍儀に「賭け」を持ち込むことでコムギの動揺を誘ったものの、元より常に「死」を覚悟しているコムギも凄いですよね。
そしてその覚悟を知り、非礼を詫びるのに自分の腕を引きちぎってしまうという・・・
なんだか、メルエルって悪役のボスとして登場したハズなのに、全然悪モノに思えなくなってきました。
フリーザ級に極悪非道だとばかり思っていたのに。
他のどのキャラよりも心理描写のシーンが深くて長く、敵のクセに主役のようになってしまっているのがスゴク面白いです。
ゴン達にも一人一人のエピソードはありますが、大勢でじわりじわりと城に詰め寄るゴン達は「集団」の色合いが強く、メルエムの心理描写ほどの強い印象が無い気がします。
もちろん、ゴン達が負けてしまったら東ゴルドーを起点に全世界の数十億人が大変なことになってしまうので、メルエムとの対決は負ける訳には行きません。
でも、コムギに何度負けても挑戦し続けている姿を見ているうちに、いつの間にか「最後にはメルエムはどんな勝ち方をするんだろう」と、楽しみになってしまっている自分に気付きました。
その後、ここでメルエムをピトーが治療することによりピトーの「円」による警備が中断します。
そのことにより、ノヴが侵入する隙が生まれるという絶妙の展開となり、ハンター達にもチャンスが生まれます。
コムギ自身は全く知る由もありませんが、結果的にコムギってすごい良い働きをしていますね。
そのままずっと王と軍儀を続けてくれれば東ゴルドーや世界の平和が保てるかも?なんて思ったりもしました。
敵ボスなのに良心が目覚めて迷いまくる!
軍儀の対局を繰り返すうち、こんなシーンも出てきます。
HUNTER×HUNTER 24巻 157ページ
・・・最初の頃と比べてだいぶ二人は打ち解けて来たようで、まるで友達同士の会話のようです。
その証拠かのように、メルエムはコムギに対して名前を聞き、その後反対に聞き返され、もしかしたら本当に友情が芽生えたのかもしれませんね。
そしてその後のメルエムの心の迷走っぷりが、もう僕の中ではここまで HUNTER×HUNTER を読んできた中で一番読み応えがありました。
自らの本来の残虐性をしっかりと確認し、もう軍儀は十分楽しんだから「コムギ」はもう用無しと殺しに行った直後、カラスに襲われていたコムギを助けてしまうという。。
なんという心の矛盾、葛藤なのでしょう。
そして、
HUNTER×HUNTER 24巻 176、177ページ
・・・もう完全に心の迷宮から抜け出せなくなっていますね。
その後の、
「余は何者だ…?
何の為に 生まれて来た…?」
というセリフなんて、まるで悩める人間そのものです。
そんな悩めるメルエムには、
・Dカーネギー「道は開ける」
・手塚治虫「火の鳥」
を紹介してあげたい気もしてしまいました。
終わりに
なんかこのまま行ったらメルエムは本当に「良心」に目覚めてしまい、ゴン達と対決するまでもなくあっさり投降でもしてしまいそうな勢いです。
ですが、満を持して「ゴン」達の一斉攻撃がこれから始まります。
全盛期の感覚を取り戻し「血沸く血沸く♪」と言っていた「ネテロ」は空から派手に登場しますが、あの老人の実力が王にどの程度通用するのでしょうか?
こうなってくると、良心に目覚めそうだったメルエムにとっては突然の襲撃となります。
当然迎え撃つしかありませんよね。
王直属護衛軍・メルエムと、ネテロ・ゴン・キルア達が、どのようなバトルを繰り広げるのか、とっても楽しみです。
それでは、今日も最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
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