手塚治虫『火の鳥』衝撃シーンまとめ特集 ~未来側~ ネタバレ注意
こんにちは、べっちです。
今日は、手塚治虫『火の鳥』の特集記事です!
『火の鳥』はどの編にも印象的な出てきますが、今日はその中から特に衝撃的だったシーンを選りすぐってご紹介しますね。
望郷編に出て来た巨大な土の怪物
まず1つ目のシーンです。
シリーズ8作目「望郷編」の、とある惑星に出て来た土の怪物です。
火の鳥 望郷編より
・・・本当は、大蛇を永遠と貪り食うシーンの方がより衝撃だったのですが、エグすぎて直視するのもツラいのでこちらのシーンを載せることにました。
この怪物ですが、とても不思議な存在で、生き物なのかどうかさえ怪しいです。
地球の常識だと生物は「アミノ酸」などの有機物であることが特徴ですが、この怪物は「土」、つまり無機物で出来ているのです。
体が「土」で出来ているのに1時間以上も食事を続けるのですが、食事が必要な体だとはどうしても考えられません。
意志を持っているかどうかも不明で、目的もなく手当たり次第食べ続けているのが非常に気味が悪いです。
また、怪物の足を「コム」が触ると、なんと足はボロボロと崩れ出します。
そんなにモロいのに自立歩行できたり、新しい足が生えてくるのも不気味ですね。
マキムラはこの怪物のことを「無生物」と呼ぶのですが、この言葉はなんとも形容しがたいこの怪物の不思議さをよく表していると思います。
火の鳥『望郷編』について、こちらの記事で感想をお話しているので、よろしければご覧ください。
↓↓
手塚治虫『火の鳥』望郷編 エデン17の悲劇を繰り返してはいけない
宇宙編の「メタモルフォーゼ」
2つ目のシーンは、シリーズ4作目「宇宙編」のメタモルフォーゼです。
火の鳥 宇宙編より
この植物のようなものは単純にどこかの惑星に生えているサボテンのような物だと思えばナンてことないのですが、これらは全て元々人間なのです。
・・「人間」と言われると、沢山の足が地面から生えているようにも見えて怖くなってきます。
この星は流刑星と呼ばれ、宇宙で罪を犯した人間が過去なこの星に連れて来られます。
しかし、この星の自然はとても過酷でとても耐えられるものではないため、メタモルフォーゼしてもらうことで耐えられるようになる、ということです。
しかし、メタモルフォーゼされた体は、動けなくなる上に、永遠に人間の心を持ったまま生き続けなくてはならない、という過酷な運命を背負わなくてはなりません。
何も話せず、何も見えず、ただじっとしたまま永遠の時を過ごさなくてはならないって、一貫して理不尽な世界観の「火の鳥」の中でも最も悲惨なのではないかと思います。
もし僕がメタモルフォーゼにされたら、恐らくそう長くない日々が経ったら発狂するんだろうなぁ。
むしろ発狂してしまって自我を忘れてしまったら、後は楽なのかもしれません。。
宇宙編について、さらに詳しい感想記事があります。下記からどうぞご覧くださいね。
↓↓
手塚治虫『火の鳥』宇宙編 感想 メタモルフォーゼにトラウマ。。
未来編での人類滅亡
3つ目の衝撃シーンは、シリーズ2作目『未来編』の、核爆弾による人類滅亡です。
火の鳥 未来編より
・・・シリーズ2作目にして、いきなりの人類滅亡です。
なりゆきとしては、今よりも1000年以上も未来が舞台で、人間はいつしか政治的な判断はスーパーコンピュータに任せる時代になってしまっていました。
そして、そのスーパーコンピュータが
「戦争すべし」
と判断し、それに従った結果がコレです。
戦争になったらお互いに核爆弾がしかけられる確率は 99.9% とスーパーコンピュータも判断したにも関わらず、人間はその決断に従ってしまったのです。
まだ2作目だし、
「ギリギリのところで人類は核戦争を回避するんだろうな」
と思っていたのですが。
まさかまさか、あっさり戦争が始まってしまい、始まった瞬間、画像のきのこ雲の状態になって人類ほぼ全滅です。。
ですが、あっけにとられたのは束の間で、人類滅亡で話は終わりでなく、むしろそこからが『火の鳥』の真骨頂でした。
永遠の命を手に入れた「マサト」が、何億年もかけて生命の起源からまたやり直すのを見守る役目を担います。
進化の途中、恐竜を絶滅に追い込んだ「ナメクジ」の文明は気色悪かったですが、新しい進化の解釈で面白かったです。
ナメクジだから骨が残らず化石もないので、無かったという証拠もありませんものね。
でも、
「肝心の人類への進化が無かったらどうしよう?
今回は進化の枝分かれが違ったのかも。。」
と、僕も「マサト」同様に不安になってしまいました。
ラストにはちゃんと人間まで進化してくれたので良かったです。
現実世界の人類は、『火の鳥』の悲惨なループに陥ることなく、ちゃんと人間の頭で考えて最悪の事態だけは回避することを心底願わずにいられません。
未来編についての感想については、よろしければ下記の記事をご覧くださいね。
↓↓
手塚治虫『火の鳥』未来編 命と宇宙と不死と核と… 盛り沢山の物語
終わりに
今回は『火の鳥』で特に印象に残っている衝撃シーン3つについてお話させていただきました。
- 宇宙の旅で出会った「無生物」の怪物
- 植物に見えて実は人間の「メタモルフォーゼ」
- 核爆弾による人類滅亡
・・・あれ、気づくと3つとも「未来」側の話ですね。
「過去」側の話にも印象的なシーンはいっぱいありますので、また今度お話させていただきますね。
それでは、今日も最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
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